【NQNニューヨーク=川上純平】2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比402ドル23セント(1.2%)安の3万2396ドル17セントで終えた。ペロシ米下院議長が2日に台湾を訪問し、米中間の緊張の高まりを懸念した売りが出た。米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの見方が後退したことも株売りを誘った。
ペロシ氏の訪台を受け、対抗措置の発動を予告していた中国は軍事演習を開始した。米中対立が激化すれば軍事衝突や貿易の停滞などにつながりかねないとの警戒感が強まり、投資家心理を冷やした。
FRBの利上げ減速観測の後退も株売りを招いた。サンフランシスコ連銀のデイリー総裁は2日、インフレ抑制に向けた政策運営について「終わりは程遠い」と述べた。同総裁以外にもインフレ警戒を改めて強調するFRB高官が相次ぎ「断固としたタカ派姿勢」(エバコアISIのクリシュナ・グーハ氏)が再確認された。米債券市場で中期債と長期債の利回りが急上昇したのも株式相場の重荷となった。
個別では航空機のボーイングやクレジットカードのビザなど景気敏感株が安い。四半期決算で売上高が市場予想を下回った建機のキャタピラーは6%安と大幅に下げた。ソフトウエアのマイクロソフトとスマートフォンのアップルも利益確定売りが優勢だった。
ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は続落した。前日比20.218ポイント(0.2%)安の1万2348.758で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや動画配信のネットフリックスが下げた。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やエヌビディアなど半導体株の一角は上げた。
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