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Saturday, December 31, 2022

「マスクを外さない」日本と韓国 | | 伊東順子 - 毎日新聞

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 私は新型コロナウイルスの感染拡大以後も1年に数回、日本と韓国を往来してきた。

 初期の対応には両国で大きな違いがあったが、現在も欧米や東南アジアなどと比べてなかなかアフターコロナに進めないという意味では、日本と韓国は非常に似た状況にあるという印象だ。

急に元には戻れない

 韓国は、これまでに人口の半数ほどがコロナに罹患(りかん)した。今年に入ってオミクロン株が主流となって以後は、罹患しても軽症で済み、インフルエンザとほぼ同じという認識が国民のコンセンサスになった。政府も感染症のランクを格下げしている。

 初期の頃は、感染ルートに関する徹底的な調査や強制的な隔離措置、また外食やパーティー等の人数制限など、日本に比べても厳しい対応がなされたこともあった。現在は政府対応としてはアフターコロナに進んでおり、社会に解放感はある。大人数での酒席などもコロナ以前と同様に開かれている。

 一方、学校などは日本よりはるかに閉鎖していた期間が長い。大部分の大学が対面授業に戻ったのは今秋からだ。現在の大学3年生は学内でのつながりが希薄で、今も新入生と変わらない。知人の大学関係者によると、1年から3年まで全員が新入生のようだという。大学周辺の飲食店も多くが閉店を余儀なくされた。

 小学校や中学校の学校行事も同様だ。日本は2021年から少しずつ再開していたが、韓国は3年間止まったままだった。今春からアクリル板は撤去されたが、屋外活動でもマスクの着用率は高い。友人の子どもの運動会の写真を見たら、競技する子どもも応援する親もほぼ全員がマスクをしていた。

 「もう平気だ」と言っている人も多い一方で、以前の状況に戻るには時間がかかりそうだ。…

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