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Friday, January 20, 2023

3年となったマスク生活、いつになったら外せるのか 強制ではないのだが…「トラブルが怖い」:東京新聞 TOKYO Web - 東京新聞

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 新型コロナウイルス感染症の国内確認から3年、日常に溶け込んだマスク。政府は20日、感染症法上の位置付けを5類に見直すのに合わせ今春、屋内でも原則マスク不要へと指針を緩和する方向性を示した。街を歩く人たちは、マスクなしの生活が近づくことを歓迎する一方、感染への不安から「いつ外すかは分からない」と戸惑いの声もあった。(奥野斐、加藤益丈、小川慎一)

東京都渋谷区の表参道を歩く人たち。多くの人がマスクを着用していた=20日、佐藤哲紀撮影

東京都渋谷区の表参道を歩く人たち。多くの人がマスクを着用していた=20日、佐藤哲紀撮影

 若者や外国人観光客が行き交う東京・表参道。友人と待ち合わせ中の都内の会社員山崎歩さん(25)は「今はインフルエンザが怖いから着けているけど、外せるなら外します」と即答した。冬場はマスクが防寒対策にもなっているという。

 千葉県からきた15歳の女子中学生2人組も「息苦しいから外したい」。ただ同級生は「着用派」が多いといい、「集合写真を撮るときも『恥ずかしい』と着けたがる子が結構いる」。

 マスク着用は法的な強制はなく、政府が国民に呼びかけてきた。昨年5月に方針を改定し、屋外では原則不要だが、屋内では距離が確保でき会話がない場合を除き着用を推奨してきた。

 今回、症状のある人や、重症化リスクの高い人と接するケースを除き屋内でも原則不要とすることを検討している。

 マスク着用を求める根拠がほぼなくなることに、東京都葛飾区のスーパー店員加藤優子さん(36)は「お客さんに『マスクを着けていない人を注意して』と言われたこともあり、トラブルが怖い。早く以前のように戻ってほしいけど、多くの人と接するのでまだ感染が怖いかな」と明かす。

 千葉県松戸市の会社員小幡晃さん(40)は「最近マスクなしで過ごしてみようと試みたが、電車内で周りの目が気になって諦めた。政府からわざわざ外していいと言われるのは、なんか違うかなあ」と話し、「この春は花粉症なので着けて過ごしますよ」と笑った。

 重症化リスクが高い高齢者も反応はさまざまだった。

 JR新橋駅近くの薬局でマスクを見ていた東京都足立区の小俣俊之さん(81)は「外して良いなら、暖かくなったら春に外す」と声を弾ませた。一方、駅前広場を歩いていた世田谷区の70代女性は「感染が怖いから、すぐに外すつもりはない。感染した時にすぐ薬が手に入るのか、受診できるのか分からないし…」と不安そう。港区の自営業男性(62)は「乗り物や映画館など多くの人が集まる屋内ではマスクはする」と話した。

東京都渋谷区の表参道を歩く人たち。多くの人がマスクを着用していた=20日、佐藤哲紀撮影

東京都渋谷区の表参道を歩く人たち。多くの人がマスクを着用していた=20日、佐藤哲紀撮影

◆屋内のマスク着用はどうする? 専門家も意見分かれる

 屋内でのマスク着用の在り方を見直すことを専門家や医師はどう見るか。

 舘田一博・東邦大教授(感染症学)は「これまでは過剰にマスクを着けていた面もあったのでは。マスクの使い方も、変えていく必要がある」と話す。マスクは感染予防効果がある一方で、コミュニケーションが取りにくくなるなど子どもの発達において弊害もあると指摘する。

 「重症化リスクが少ない人たちだけで集まり、換気などができる状況であれば着けなくてもよい。しかし、高齢者がいる会合や基礎疾患を持った人たちと長く話すといった場面では着けるといった具合に、状況に応じた判断が求められるようになる」と説明する。

 一方、コロナ患者の対応にあたる「ひなた在宅クリニック山王」(東京都品川区)の田代和馬院長は「屋内でマスクを着けなくていいというのは感染拡大を許容すること。医療体制が整っていないのに、緩和を進めるのは無責任だ」と政府の方針を批判した。(榊原智康、小川慎一)

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