新型コロナウイルスの感染症法上の5類への移行に備え、専門家有志は25日に今後の身近な感染対策に関する見解を公表した。5類になると感染対策は自主的な判断が中心となる。専門家はマスク着用も念頭に置いた感染対策は個人の選択が尊重されるべきだとした。リスクが高い高齢者を守ることなど周囲への配慮を前提とした。
政府は新型コロナを今春に感染症法上の5類に移行させる。具体的な移行時期は4月下旬から5月の大型連休前後とする案が有力で、近く決定する。5類になると感染者や濃厚接触者の待機要請などはなくなり、感染対策は自主的な判断に委ねられる。
厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」の脇田隆字座長ら専門家有志はマスク着用など今後の身近な対策に関する見解を25日の会合で示した。今後は個人がリスクに応じて選択する感染対策が中心になると指摘した。職場では話し合いで対策の合意を得ることが望ましいとの考えも示した。
病院や高齢者施設などでは感染拡大の影響が大きく、対策継続の重要性を明記した。提言に関わった川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は「マスクが必要な場面があり、医療関係者まで外すということはあり得ない」と一律対応ではなく、場面に応じた対策を訴えた。「手洗いやトイレの蓋などに話が及ぶかもしれないが、一つひとつ検証してできるところから出していきたい」とも述べ、感染対策について今後詳細を示す考えを明らかにした。
厚労省はマスク着用の考え方を示しているが、法的な拘束力はない。現状は屋外では原則不要としている。屋内では会話をほとんどしない場合を除いて着用を求めている。高齢者ら重症化リスクが高い人に会う時や病院に行く時、通勤ラッシュ時などは着用を推奨している。
流行初期の2020年、国は症状がなくても外出時は原則マスクを着用するよう求めた。22年6月には熱中症リスクを考慮し、屋外でのマスクは不要と周知した。飲食店や鉄道への乗車といった場面では業界団体がガイドラインを作成し、利用者に協力を呼びかけている。
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