新型コロナウイルス対策の交付金を使い自治体が調達した医療機関向けの不織布マスクや消毒液など約6億円分が2022年度末時点で一度も使われていなかったことが会計検査院の調査で18日分かった。検査院は活用促進策や処分の検討を求めた。
国の地方創生臨時交付金を使い、自治体が医療機関などにマスクをはじめ衛生資材などを配る「物品配布事業」で20〜21年度に計画された案件の実施状況を調べた。
20府県505市町村が購入した物品は1594事業で計6674品目あり、約433億円の事業費が充てられた。
このうち4県48市町村の計55事業で、購入量の半数以上が使われていないケースがあり、22年度末時点で90品目に上った。未使用分の購入額は6億3398万円(国庫負担4億8465万円)だった。
横浜市は20年度にマスクや防護服など計19億9483万円分を購入した。22年度末では防護服など5品目で購入量の半数以上が倉庫に保管されていた。未使用分の購入額は2億6499万円(国庫負担1億2935万円)だった。緊急対応で医療機関に聞き取らずに調達したが感染鈍化で需要が減ったという。
未使用物品の保管が続いたのは、内閣府が取り扱い方法を示していなかったことが原因だ。検査院は内閣府に対し、自治体に活用促進策を検討させるよう求めた。配布対象者の条件を見直したり、配布の希望を確認したりすることが柱になる。
コロナ禍では政府が調達した布マスク約1億4千万枚のうち21年3月時点で約8200万枚(約115億円相当)が倉庫に保管されていたことが同11月、検査院の調査で判明した。
当時も検査院は厚生労働省に在庫マスクの有効活用を求めた。今回も同様の意見表示がされており、当時の指摘が十分に生かされなかった形だ。
検査院は地方創生臨時交付金を使って遠隔学習用に学校にタブレット端末などを配布する「端末購入事業」の実施状況も調べた。
18府県422市町村で事業実施期間を超す期間の保守費用に交付金計151億8928万円を充てていた。最長10年分の保守費用を計上した事例もあった。検査院は同交付金を充てる範囲を明確に定めていないことが原因と指摘し、内閣府と総務省に改善を求めた。
内閣府地方創生推進室は「指摘を受け止め、未使用物品の活用促進策を検討したい。端末も交付金の使用範囲について明確に示せるよう議論を進めたい」と話している。
からの記事と詳細 ( コロナで購入のマスク・消毒液、6億円分未使用 検査院 - 日本経済新聞 )
https://ift.tt/HSKkfDL
No comments:
Post a Comment