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Tuesday, December 13, 2022

明窓・異様なマスク姿 - 山陰中央新報社

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モロッコ戦で盛り上がるスペインのサポーター=6日、アルラヤン(共同)

モロッコ戦で盛り上がるスペインのサポーター=6日、アルラヤン(共同)

 動画投稿サイトで人気グループのコンサート映像を見ていたら、ふと気になって「これ、いつのツアーじゃろ?」と隣に座る小学生の娘に聞いた。「会場で見てる人がマスク着けてないから、最近のじゃないよね」▼なるほどマスク姿の画像は一見して、コロナの前と後で時代に線を引くマーカーとなる。ならば連日テレビで目にする会場の熱狂は「コロナ禍後」の光景ということになろうか▼日本代表の快進撃に沸いたサッカーワールドカップ(W杯)カタール大会で観客はマスクを着けず、飛沫(ひまつ)お構いなしに叫びまくっている。これではコロナ前の前回ロシア大会と全く見分けが付かない。異様なのは平気の海外か、それとも律義にマスクを外さない日本か。給食の「黙食」が緩和されたのに会話はほぼ聞こえないと言う娘に説明するのは難しい▼いっそのこと別世界を見せなきゃいい-。そう考えたのはゼロコロナ政策の中国である。国営テレビの試合中継で観客席のアップが映されなかったというから、あきれる▼厳しいコロナ規制は緩和が進んでいるようだが、各地で起きた大規模な抗議活動は体制批判も交じり、不満のマグマがまたいつ噴き出すとも分からない。デモの参加者は白紙を掲げ、身元を特定されないためだろう顔を覆うようにマスクを着用していた。不穏で異様な姿は、後にこの国の時代を分ける象徴的な光景になるかもしれない。(史)

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